2008年9月26日金曜日

江川晴著 「麻酔科医」


 日本麻酔科学会が全面的に監修・協力して作られた小説「麻酔科医」を読了した。著者は元看護師の江川晴。短気な自分は、最初の30頁くらいで読んで面白いと感じない小説はたいてい止めてしまう。正直いって止めようと思った。でも読み切った。「あれ読んだ?」と仲間内で話題になったとき、ついていけないとまずいと思ったからだ。

 前半は麻酔科医の仕事を紹介することに主眼が置かれているようで個人的には新鮮味に欠けた。後半では、麻酔に失敗し落ち込む主人公が、グループホームを主催する元看護婦の祖母を訪ね、介護の現場に触れ、祖母の言葉に元気を取り戻す。おそらく元看護師である著者の得意とする分野なのだろう。ここに至り初めて「読み進めてきて良かった」と感じた。

 麻酔科研修をする前と後では、読後の感想が違うかもしれません。私としては「予習」効果を期待して、麻酔科研修に入る直前に読むことをお勧めします。

Fujiwara

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